筋力トレーニングが体脂肪を減らすメカニズム

筋トレ

こんにちは。

今回は筋力トレーニングが体脂肪を減らすメカニズムについて解説したいと思います。

この記事を読むとなぜ筋トレが大事と言われているかが分かります。

やはり脂肪燃焼には有酸素運動!?

皆さんの中にはダイエットのため、脂肪燃焼のために有酸素運動(ウォーキングやジョギング)を行う人もいるかと思います。

結論から言うと正解です。

一般的に運動中のエネルギー源は、強度が低い運動、長時間の運動(有酸素運動)ほど体脂肪が利用される比率が多くなります。

なので、“運動中”により多くの体脂肪を燃やすためには、ウォーキングやジョギングなどの軽い運動を長時間行なうことが効果的です。

じゃあ、筋トレなどの無酸素運動が脂肪燃焼に効果がないのか?

結論から言うと「んなことありません」。

有酸素運動が“運動中に脂肪を多く燃やす”のに対して、筋トレは、“運動後に脂肪が燃えやすい状態をつくる”ことが科学的に証明されているからです。

まる
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アフターバーン効果やEPOCなどが挙げられるね。

長距離選手と短距離選手で体脂肪率が低いのはどっち?

体脂肪を減らすためには筋トレが効果的であることは、トップアスリートたちの体脂肪率を観察すれば一目瞭然。

トップアスリートの体脂肪率

長距離選手の体脂肪率は男子が5~8%、女子は男子より少し多めで8~10%程度。

短距離選手は、男子が4~6%、女子が8~11%程度。

まる
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長距離と短距離でそこまで差はないです。短距離選手の方が若干体脂肪率が低いようですね。

練習のほとんどを有酸素運動に費やしている長距離選手と練習のほとんどを無酸素運動に費やしている短距離選手で、体脂肪率にあまり差がないのは不思議ではありませんか?

 

筋肉量が多い人は、安静時エネルギー消費量も多い

減量においては、筋肉、骨、内臓などの除脂肪組織をできるだけ維持しながら、体脂肪だけを減少させることが重要です。※減量については前回の記事を参照ください。

除脂肪組織は脂肪組織に比べてエネルギー代謝が活発であるため、除脂肪量が減少すると、安静時のエネルギー消費量も少なくなってしまい、結果としてエネルギーを貯めやすい身体(体脂肪を貯めやすい身体)になってしまいます。また、有酸素運動だけを長期に渡って実施すると、身体はエネルギーの浪費を防ぐように適応して、脂肪を貯めやすくなるともいわれています。

除脂肪量が1kgあたりの基礎代謝量はどのくらい?

筋肉1kg当たりの基礎代謝量は約13kcal

では、筋トレを行って筋肉量が増えれば、基礎代謝量はどのぐらい増えるのでしょうか? 

これまた結論から言いますと筋肉1Kg=13kcalです。

筋肉量を1kg増やしても1日あたり13kcalしか消費してくれません。

なのでこの結果を見て「筋トレしても意味ないじゃん」は違います。

筋トレには、自律神経系(交感神経)や内分泌(ホルモン)系の働きを活性化するなどして、全身のエネルギー代謝を促進する効果もあります。

なので単純に、筋肉を1kgつけたら全身の基礎代謝が13kcalアップする、2kgつけたら26kcalアップするという計算にはならないのです。

 

除脂肪量が1kg増加すると基礎代謝量が50kcalアップ!?

ある実験で19~22歳の男性を対象に全身の筋トレ(スロートレーニング)を週2回の頻度で3ヶ月間実施し、基礎代謝量の変化を調べたところ3ヶ月後に除脂肪量が約2kg増加し、基礎代謝量が約100kcalアップしました。

すなわち、除脂肪量1kgの増加につき基礎代謝量が約50kcalアップしたということになります。

まる
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たったの50kcalと思うのはまだ早いぞ!

1日たったの50kcalでも、1ヶ月(30日)では約1,500kcal(体脂肪量に換算すると約0.2kg)、1年では18,250kcal(体脂肪量に換算すると約2.5kg)、5年では91,250kcal(体脂肪量に換算すると約12.5kg)にもなるからです。

まる
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皆さんの中には5や10年で食事量は変えてないのに5〜10kg太ったって人も多いはず。その5年10年の間筋トレをしていれば…。そこまで太らなかったかもね…。

 

筋力トレーニングを行うと体脂肪が燃えやすくなる?

 

さあここまでで筋肉がいかに素晴らしいかが分かったと思います。でも素晴らしい点はまだまだあります。むしろここからが本題です。最後までしっかり目を通しましょう。

体脂肪燃焼過程

体脂肪は主に脂肪細胞の中に中性脂肪という形で蓄えられています。この中性脂肪は、そのままの形では運動のエネルギー源として利用することはできません。まずアドレナリンや成長ホルモンなどの脂肪分解作用を持つホルモンと酵素(ホルモン感受性リパーゼなど)の働きによって遊離脂肪酸グリセロールに分解されます。その後血中に放出された遊離脂肪酸が運動のエネルギー源として利用されることになります。

体脂肪分解を促進する成長ホルモン

成長ホルモンとは脳下垂体と呼ばれる内分泌器官から分泌されるホルモンの一つです。
主な役割として

骨・筋肉の成長を促進・修復
肌の再生
疲労回復・疲労物質の排出
タンパク質の合成
脂肪の蓄積を抑える・燃焼を促進させる

が挙げられます。

成長ホルモンといえば睡眠時に分泌されるイメージですが、筋トレなどの激しい運動を行うと筋肉内に乳酸などの代謝産物が溜まります。それがファクターとなり脳下垂体から成長ホルモンが分泌されます。

分泌された成長ホルモンは脂肪細胞に含まれるホルモン感受性リパーゼを活性化し、中性脂肪の分解を促します。

なので筋力トレを行うことで、体脂肪が燃えやすい状態をつくることができるのです。

成長ホルモンの脂肪燃焼持続時間

成長ホルモンが脂肪燃焼に効果的と言うことは分かりましたが具体的にはどれくらいの時間効果は持続するのでしょうか。

石井教授によれば筋トレ後5〜6時間持続するそうです。また国外の研究では筋トレ後48時間ほど持続したとの報告もあります。

同じ脂肪分解作用のあるアドレナリンやノルアドレナリンは筋トレ後約1時間程度しか持続しないのに対して成長ホルモンの持続時間は長く続くのが特徴です。

成長ホルモンの脂肪燃焼時間は5〜48時間ほど

 

筋トレで速筋繊維を増やしてUCP-3を増やそう

安静時にエネルギーを消費するタンパク質 「 UCP-3 」

UCP-3とは脱共益タンパク質-3のことで主に筋肉のミトコンドリア内に存在します。UCP-3は、安静時に脂肪や糖などのエネルギーを直接熱に変えて消費する働きを持つタンパク質で、浪費遺伝子なんて呼ばれたりもします。

UCPにはいくつか種類があり、動物やヒトの「褐色脂肪」だけに存在するUCPをUCP-1、主として「白色脂肪」の中に存在するUCPをUCP-2、そして、骨格筋や心筋などの筋組織に存在するUCPをUCP-3と呼びます。

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UCP-3を多く持つ人は肥満しにくい体質となります。

UCP-3は「速筋線維」の中に多く存在する

そもそもヒトの骨格筋は、速筋繊維と遅筋繊維に分けられており、速筋繊維はタイプⅡa線維(FOG線維)とタイプⅡb線維(FG線維)、遅筋繊維はタイプⅠ線維があります。

遅筋繊維(タイプⅠ線維):筋力やパワー発揮は小さいけれども持久性に優れている
速筋繊維(タイプⅡa線維(FOG線維)):瞬発力、持久性ともに比較的優れている筋線維
速筋繊維(タイプⅡb線維(FG線維)):最も瞬発力に優れているが持久性に乏しい筋線維

UCP-3は、これらの筋線維の中で「遅筋線維」よりも「速筋線維」に多く含まれていることがわかっています。また、「速筋線維」の中でもとくにタイプⅡa線維により多く含まれている。

筋力トレは速筋線維を鍛える最も有効な手段

ここまで読んできた人ならわかると思いますが速筋繊維を増やすには筋トレが一番です。

ダンベルやマシーンなどを使った筋力トレでは、10回で限界が来るような重さ(10RM)を用いて行いましょう。この10RMという負荷の重さは、タイプⅡaからタイプⅡbまでの速筋線維の多くを動員できる運動強度になります。

すなわち、10回程度反復できる負荷を用いて行う筋力トレーニングは、速筋線維を鍛えるための最も有効な手段の一つです。

まとめ

有酸素運動ばかりしていると筋繊維が遅筋繊維化してしまい、エネルギーを温存しやすい身体となってしまいます。なので効率よくダイエットをしたい若しくはダイエット後もリバウンドせず綺麗な体をキープしたいって方は筋トレを行うことをお勧めします。もちろん運動だけでは非効率的なので食事管理もしっかり行いましょう。

それではまた次回✋




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